■作品内容
亜里沙と付き合って約1年…時間にルーズな彼女は、今日も俺を家に呼びつけたくせに姿を現したのは1時間後だった。その間、話し相手になってくれたのは亜里沙の妹である奈菜ちゃんだった。玄関で出迎えてくれて、飲み物を出してくれて、たわいない会話に笑いあう。その相手が恋人ではなく、恋人の妹。そんな状態が普通になるくらい待たされることが多かった。約束の時間をとうに過ぎても、悪びれる様子もない亜里沙に奈菜ちゃんが怒ってくれるが、気にも留めていない。その態度にますます怒りを燃やす奈菜ちゃんを俺がなだめる。亜里沙と違って、真面目な奈菜ちゃんはいつも俺に気を遣ってくれる癒し的な存在。待たされる間になんだかんだ仲良くなってしまった恋人の可愛い妹。そんな奈菜ちゃんをドタキャンしたデートの代役に送り込んできたときは呆れもしたし、申し訳なくもあった。亜里沙との恋人関係も長くないかもしれない…そう思うとき、真っ先に思い浮かぶのが亜里沙への未練より、奈菜ちゃんとも会えなくなる寂しさだった。それほどに俺の感情も冷めていた。

■サークル名:もっちもち屋






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