■作品内容
新学期。読書好きで陰キャな僕は、誰もやりたがらない図書委員に立候補する。文化祭や体育祭など、派手な行事ではまったくクラスの戦力になれないので、せめてこれくらいは役に立とうという気持ちだった。するとなんと、くじ引きの結果、相方が麦嶋陽毬さんになってしまう。スクールカーストの頂点に君臨する、スタイル抜群のギャルだ。多くの男子が憧れており、僕の目から見てもかわいいと思う。しかし、僕の経験上、ギャルは不真面目な人が多く、話が合う気もしないので、うまくやっていけるか不安だった……。が、そんな予想に反して、麦嶋さんは思ったよりも話しやすい性格だった。図書委員の当番中、「ヒマだから、なんかおもしろい話をして」と、無茶ぶりをしてくるも……本で得た雑学を披露すると、思いのほか感心してくれる。「ふへー、小糸ってほんとすごいね。いろんなこと知りすぎでしょ」仕事のほうも思ったよりマジメにこなしてくれ、人を見かけで判断してはいけないな、と僕は反省した。それから図書委員の当番があるたびに、楽しく雑談をするようになり、僕はどんどん麦嶋さんに惹かれていく。でも、好きになっちゃダメだと思っていた。あまりにも身分が違いすぎて、傷つくだけだと思っていたから……。
■サークル名:ペンギン千番地