■作品内容
サヤは苛立っていた。自身の進学について親と意見が合わず、解決策が見いだせなかったためだ。急遽仕事に出ることにし、常連客であるトロヤマに電話をかけるも、むなしくコール音が響くだけ。電話を切り、ため息をつきつつ電話を仕舞うと、ふと飛び込んでくる見慣れた顔。不格好なフォームで汗だくになりながらひいこら走ってくるその丸っこい男に、思わずサヤは破顔する。しかし、そんな顔を見られるのは恥ずかしい。少なくともこの男には。一瞬で顔を引き締め、その男の前に立ちはだかりつつ、声をかけた。「ナニしてんの?」

■サークル名:暗中模索






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