■作品内容
俺の名前は笠木慎司。24才のしがないサラリーマンだ。俺はある夏の暑い日、仕事帰りに普段は寄らないレンタルビデオ店に立ち寄った。今晩のオカズを物色するためだ。その店で、俺はあるアダルトビデオに釘付けとなった。そのビデオのパッケージを見つめるうちに、7年前、故郷で学生として過ごした今年と同じ暑い夏の事を思い出した。田崎みどりが俺たちのクラスに転籍してきたのは、中間テストを間近に控えた初夏の事であった。田崎さんは、県内でも有名なX学園からの転籍だと担任は紹介した。自身の父親が経営する会社がバブル崩壊による事業失敗で家計が悪化、やむなく転籍したのだと友人の津久井に教えられた。彼女は、持ち前のコミュニケーション能力、優秀な成績、元X学園とは思えぬ素朴で人当たりの良い性格のために、瞬く間にクラス男子全員の憧れの的となった。特に津久井は田崎さんに入れ上げ、彼女の写真を撮影してはクラス中に売り捌いてた。津久井の父親は事業家で県議会議員でもあった事から、彼の行いは褒められたものではなかったが咎めるものは居なかった。田崎さんの隣の席になった俺は、ノートを貸した事から彼女と仲良くなり、色んな事を話すようになった。俺たちは読書や映画の趣味が合って互いのお気に入りの作品について語り合った。モテなかった俺にもようやく話の合う女子と出会えた、と思った。そして、いつのまにか俺の中で田崎さんへの想いが日増しに強くなって行った。
■サークル名:予備役製作所