■作品内容
大学のゼミにいる先輩。いつもゼミ室で見かける彼女は、無口で物静かで、どこか物憂げで、とても字のきれいな人だった。「……きれいな指、ですよね」二人きりのゼミ室で、初めて声を掛けられて。それから僕は先輩を目で追うようになった。少しずつ話をするようになって。気が付けば好きになっていて。「好きです……先輩のことが……」先輩が就職活動でゼミに来なくなる最後の日。ぼくは人生で初めての告白をした。「……私、普通じゃないから……」「優しくされても、感じないの」「動けなく、されて……叩かれたり、とか……首とか、締められたり……乱暴に、されないと……」「それでも、私色に染まってくれる?」それが先輩の返事。先輩の言ってることは分からなかった。僕は先輩を繋ぎ止めるために、震える声を絞り出して答えた。「お……教えて……もらえ、たら……」それこそが、先輩の求める答えだった。僕を彼女色に染める答えだった。気が付いた時には、もう遅く。僕は先輩に誘われるがまま。どうしようもなく、彼女色に染まっていく――

■サークル名:まるぼろせったー






おすすめの記事